詩と詞と雨が

し、らしきものを垂れ流します

骨格標本

国境線を跨いではしゃぐ君の 無邪気なスカートも笑っていた 赤い髪飾りに反射した陽射しが 僕の触った最上の記憶 「あなたの骨格が好きです」 そんな告白は想定外だったけど 「あなたの骨格が好きです」 そう真顔で言う君が好きです 長い階段は気づけば上っ…

矢光る

美術館 青い芝生 ミネラルウォーターのペットボトルに反射する光 ガラスの中の世界はいつもより色めき 頭の中の音楽はできるだけポップに あなたの中の景色は現実を越えていく 音の 色の 匂いの輪郭が浮き上がり 水色の中の月にもきっと気づくでしょう 人混…

神秘的

地下室の暗がりが優しい季節 回廊から響く知らない猫の鳴き声に 一時耳を澄ましてみよう 空の色味や山の匂いも 今では書物の世界の記憶 いつかこの身に木漏れ日を いつか一人の友だちを 冷たい熱にまどろみながら 時間の淵に零れて落ちる 密室の安寧と壊れた…

◎ライトシャワーが注ぐ頃に

残響する言葉と仕草 まるで遅効性の毒みたいだね 特別なことは何ひとつないのに 冷蔵庫の中の林檎が傾いた 踊れない季節が過ぎたら 新しい光が生まれるよ 道路脇の雪がありったけの熱を吸い込むように 息をする君と僕はきっと恋に落ちるはず それで明日はど…

◎霧の中

砂の音色が流れる小川 光は注ぎ 祈りは透過する 逆行する命は力強く 飛沫は霧となり大地を恵む 風が撫でる木々の葉擦れと 森の奥では獣のにおい それぞれが持つ臓器と歴史 それとは別の原始の時計 巨大な愛がしるしを刻む 循環が羅列する記憶の栞 茂みの中か…

ピーナッツみたいに

お酒の香りを頬に残して 思い思いの記憶の欠片 きれいな月と充血した眼 微かに聞こえるクラクション 羞恥の心を抱えて吠えて 流れぬ涙とピーナッツ スーツの汚れが可愛いのです べたついた髪も疎らな髭も 恥ずかしながら愛おしい 腕時計の針は一秒単位で正確…

幻だとしたら

並行世界を夢想するなんて愚かだと思ってた、そんな立冬 冷たい太陽がぼくを照らし チャーリーブラウンの弱音だけが友だちだった 平熱が嘘みたいな温度で それはきっと心の問題なんだろう やせ細った二の腕が孤独を知らせる ああ ビルの連なりが夕焼け色に染…