詩と詞と雨が

し、らしきものを垂れ流します

◎霧の中

砂の音色が流れる小川

光は注ぎ 祈りは透過する

逆行する命は力強く

飛沫は霧となり大地を恵む

風が撫でる木々の葉擦れと

森の奥では獣のにおい

それぞれが持つ臓器と歴史

それとは別の原始の時計

巨大な愛がしるしを刻む

 

循環が羅列する記憶の栞

茂みの中から覗くうさぎや

群れから外れたムクドリの子も

遠く炎の営みを嗅ぎつつ

畏れを抱いて今日を欲する

死生の区別は霧の中でも

其処此処の本能が叫ぶ

     煌めきを、と