2017-01-11 ◎霧の中 砂の音色が流れる小川 光は注ぎ 祈りは透過する 逆行する命は力強く 飛沫は霧となり大地を恵む 風が撫でる木々の葉擦れと 森の奥では獣のにおい それぞれが持つ臓器と歴史 それとは別の原始の時計 巨大な愛がしるしを刻む 循環が羅列する記憶の栞 茂みの中から覗くうさぎや 群れから外れたムクドリの子も 遠く炎の営みを嗅ぎつつ 畏れを抱いて今日を欲する 死生の区別は霧の中でも 其処此処の本能が叫ぶ 煌めきを、と