2017-02-04 神秘的 地下室の暗がりが優しい季節 回廊から響く知らない猫の鳴き声に 一時耳を澄ましてみよう 空の色味や山の匂いも 今では書物の世界の記憶 いつかこの身に木漏れ日を いつか一人の友だちを 冷たい熱にまどろみながら 時間の淵に零れて落ちる 密室の安寧と壊れた花瓶 海底に広がる朽ち果てた葡萄畑で 一時過去を想ってみよう 陸の時代や人の動きも 全てはわたしの自由な虚構 いつかこの地に微笑みを いつか一つの安らぎを 冷たい身体でまどろみながら 時間の淵に零れて落ちる 時間の淵に零れて朽ちる